夏から秋に咲き続けるサルスベリ。
みなさんは知っていますか?
樹皮が白くなめらかな手触りをしていることが特徴です。
猿も滑って落ちてしまうほどツルツルという様子からサルスベリと名づけられました。
中国では百日間も咲いているという意味で「百日紅」と書きます。
実際は同じ花が100日間も咲き続けることはなく、一度花が咲き終わった枝先に、新たな花が咲き、それが続いていきます。
このサルスベリの花は面白い構造をしています。
フリルの付いた「うちわのような」花びらが6(7)枚、柱頭が曲がっためしべが1本、内側に短くて葯の黄色いおしべが多数、外側に紫色を帯びた葯を持った長いおしべが6(7)本あって内側に曲がっています。
サルスベリにはおしべが2種類あることが分かります。
この2種類のおしべはそれぞれ違う役割をもっています。
黄色いおしべは、昆虫たち(ミツバチなど)を色で呼び寄せます。
昆虫が黄色いおしべの葯を食べると、その背中に周りの長いおしべの花粉がつきます。
そして、1本長く伸びている下向きについているめしべの先端にミツバチが触れることで受粉するのです。
つまり、真ん中の黄色いおしべは、虫をおびき寄せる役割を持っています。しかも、この黄色いおしべは長いおしべに比べて栄養価に富んでいて、それを虫たちも知っていて、黄色いおしべに集まってくるそうです。
受粉できるのは長いおしべの花粉です。
なんて 賢い植物なんでしょう。
私は、日本の植物学者・牧野富太郎さんをモデルにした朝ドラの「らんまん」をみています。
いよいよ物語も佳境に入ってきました。
ドラマの影響で、正直、今まで関心が薄かった身のまわりの植物に目が行くようになりました。
きれいだな。すてきだな。は、もちろんですが
今までとは違った植物の見方ができるようになってきました。
どんな入り口からでも、興味関心は生まれるんですね。