10月19日・20日に行われる第2回オープン模試の告知ポスターの絵画はレオナルド・ダ・ヴィンチ作の「最後の晩餐」という作品です。
十字架の刑にされる前の晩にキリストが12人の弟子と食事をしました。キリストは弟子の中に自分を裏切る者がいることを、最後の晩餐とよばれる席で明らかにします。その重要な食事会の場面をダ・ヴィンチを含む7人の芸術家たちが描いています。
ところで、絵は長い時間が経つと変色したり、ひびが入ったり、絵の具がはがれたりすることがあります。今から500年以上前に描かれたこの絵も、長い歴史の中で絵の具がはがれ落ち別の画家によって何度も書き直されたそうです。絵の痛んだ部分を直し、元の状態に近づけることを修復といいます。ちなみに最初に修復したのは、あの有名なミケランジェロです。
ところが、多くの画家たちによる修復によって何度も上から絵の具が塗り足されたこともあり、もとの絵がかくれてしまいました。そこで当時の最新技術をつかって、後から足された絵の具だけを取り除く修復作業が約20年かけて行われ、今日、私たちが見ることのできる「最後の晩餐」が完成しました。
実は修復前と、後を比べてみると人物の表情やポーズに違いがあることが分かりました。
1つ例を挙げると・・・画面中央の赤と青の衣服を着たキリストの口元は修復前は、ひげのようなものでおおわれていました。あとから足された絵具を取り除くと・・・なんとキリストは口を開けていたことがわかりました。
修復には、修復前の状態に戻す、現在でよい状態にとどめて、未来に引き継ぐという大事な役割があります。
しかし君たち自身は勉強に限らず、何事も元の状態に戻す・とどめるのではなく、「あぁなりたい」「こうなりたい」と君たち自身の未来が「今より、どうなりたいか」をイメージして取り組んでほしいと思っています。